第四十五回 インド仏教聖地巡礼記録(5) かつての布教の拠点へ

第四十五回 インド仏教聖地巡礼記録(5) かつての布教の拠点へ

前回の記事はこちらです

 

2018年の2月末から3月初頭にかけて、インドを訪れた際の巡礼記録。今回ご紹介するのは、仏教八大聖地の四番目【ラージギル】。
かつてインドに存在した【マガダ国】という国の首都【ラージャグリハ 王舎城(おうしゃじょう)とも】があった場所です。
当時のマガダ国の王様・ビンビザーラが熱心な仏教徒となったこともあり、お釈迦さまはこの地を始めての仏教布教の為の拠点としました。

 

仏教に関係する多くの遺跡が点在するラージギルの中で、特に有名な場所が【霊鷲山(りょうじゅせん)】。
お釈迦さまが説法のために幾度も訪れており、『法華経』『無量寿経』などの多くのお経を説いた場所としても伝えられている場所です。
そこからご来光を拝もうと、夜明け前からホテルを出発しました。

 

 

 

 

丘のような岩山である霊鷲山。
頂上付近の参拝用の広場までは山道が整備されており、沢山の動物が闊歩していました。
犬はもちろんのこと、仲睦まじい野良牛の夫婦までも・・・。
まさにインドならではの光景と言えます。
(下山時の写真なので、既に陽が昇っています)

 

 

 

 

山の中腹には、お釈迦さまの名だたる弟子たちが篭って瞑想をしたと伝えられる石窟がありました。
ところどころ石が金色に光っているのは、この地を訪れた参拝者の方々が金箔を貼り付けていったためと思われます。

 

 

 

 

二〜三十分ほど歩くと、頂上付近に着きました。
参拝用の広場には、金色の仏像がお祀りされています。
多くの信者の方々により、お花や蝋燭などのお供物が所狭しと並べられていました。
ここでお経をあげ、ご来光を待っていると・・・。

 

 

 

 

橙色の太陽が、山の向こうから顔を出してきました。
標高が高くないとはいえ、山でご来光を拝むのは初めてのことだったので、感慨もひとしおでした。

 

 

 

 

余談ですが、【霊鷲山(りょうじゅせん)】という名は、山がワシのように見えたことから付けられた名称という説があります。
頂上付近を見渡してみると、確かにそのようにも見える部分がありました。

 

 

(インド仏教聖地巡礼記録(6)に続きます)