庚申塔

庚申塔

庚申塔とは庚申塚(こうしんづか)とも呼ばれる、庚申信仰に基づいて建立された塔です。庚申塔の中心には青面金剛明王(しょうめんこんごうみょうおう)という仏さまが彫られており、その側には「見ざる・言わざる・聞かざる」の三匹の猿が表されています。

 庚申信仰は、もともとは中国に伝わる道教の信仰が、仏教や神道などと混ざり合って成り立ちました。

 道教には、次のような言い伝えがあります。庚申(六十日に一巡する、十干十二支の庚申(かのえさる)の日)の夜に人が眠る間、人体の中に住むという三尸(さんし)虫が天上に昇り、道教の神様である天帝に宿主の罪を告げて、宿主の寿命を縮めてしまうというものです。この言い伝えから、庚申の日の夜は眠らずに過ごすという風習が生まれ、人々とともに夜を明かす守庚申(しゅこうしん)という行事が催されるようになりました。

 日本では平安時代に伝わり、庚申待(こうしんまち)と名を変えて行われるようになりました。行事の形態も次第に変化し、室町時代頃には青面金剛明王という仏さまを信仰の対象とするようになりました。この庚申待を三年・十八回続けた記念として建立されたものが、庚申塔なのです。

2016年6月14日