第二十一回 平成二十九年度 大施餓鬼会執行 / 金剛杵について

第二十一回 平成二十九年度 大施餓鬼会執行 / 金剛杵について

去る七月十六日、慈眼寺の大施餓鬼会が例年通り執行されました。

(大施餓鬼会についての詳細は、「年間行事」のページをご覧ください。)

 

当日は日差しの強い中、多くのお檀家の皆様がご墓参に訪れ、本堂内で行われる施餓鬼法要(儀式)にも百名近いお檀家様にご参列いただきました。

 

また、毎年恒例となっている、千葉県船橋市・大覚院(だいかくいん)様のご住職によるご法話も大盛況でした。

 

イラストなどを交えてお話をされる様子。笑い声の絶えないご法話でした。

 

なお、大覚院様では仏教講座やヨガの会など、さまざまなイベントが開催されています。

詳しくはこちら(大覚院ホームページ「あかもんWEB」)をご参照ください。

 

 


 

 

さて、今年度の大施餓鬼会では「五鈷杵(ごこしょ)」という仏具をかたどったお守りをお配りいたしました。

この五鈷杵とは金剛杵(こんごうしょ)という仏具の一種で、先端が五つに分かれているものを指します。

 

もともと「金剛杵」は、インドに伝わる神話の中で帝釈天(たいしゃくてん)という神様が持つと伝えられる武器でしたが、僧侶が葬儀などに用いる仏具として仏教にとり入れられました。

 

真言宗の宗祖である「お大師さま」・弘法大師空海のお姿も、主に右手に金剛杵をたずさえて描かれております。

 

慈眼寺本堂内の弘法大師座像。右手に金剛杵(五鈷杵)を手にしています。

 

 

金剛杵は武器に由来するものですが、決して他人を傷つけるものではありません。

仏教における金剛杵は、仏さまが持つ智慧(ちえ)の力が備わっていると考えられています。

 

お大師さまの著作である『御請来目録(ごしょうらいもくろく)』の中では、金剛杵のご利益について

「心の中に起こる煩悩(ぼんのう)や、外的な災いを退ける」という旨を述べられています。

つまり、金剛杵の矛先を向けるべき相手は、目には見えない諸々の災い・・・といえるでしょう。