第五十九回 令和元年度 大施餓鬼会挙行 / 仏足石について

第五十九回 令和元年度 大施餓鬼会挙行 / 仏足石について

 

 

去る令和元年の七月十六日、例年通り慈眼寺本堂におきまして大施餓鬼会を挙行致しました。

当日はあいにくの天候不良にも関わらず、たいへん多くの方々のご出席を賜わりました。
仏教徒であることを表明する【三帰依文 さんきえのもん】や、お馴染みの【般若心経】などを百名近い皆様と共にお唱えできたことは、我々僧侶にとっても良い経験となりました。誠に感謝申し上げます。

 

 


 

 

 

 

 

さて、上の写真(フリー素材より借用)のような模様が刻まれた足型を、皆様はご存知でしょうか?
慈眼寺を含めた日本の寺院では一般的に安置されているものではないため、それほど見覚えが無いかもしれません。
これは【仏足石 ぶっそくせき】と呼ばれる、お釈迦さまの足あとをモチーフにした石碑です。

 

仏足石には煩悩を打ち破る【金剛杵 こんごうしょ】や、お釈迦さまの教えそのものを表現した輪【千輻輪 せんふくりん】等、仏教に関係する様々なシンボル・マークが刻まれています。
インドでは仏像が造られる以前から信仰対象として崇められ、ありとあらゆる災いを消すご利益があると信じられてきました。
中国を経由して日本にも伝えられており、奈良県の薬師寺に遺されたものが特に有名となっています。

お釈迦さまは疲れを知らず、各地を巡り歩いたと伝えられています。
その逸話にあやかって、慈眼寺では仏足石を象った「足腰御守」を作り、大施餓鬼会にご出席された皆様へお配り致しました。
お鞄や携帯電話など、身近なものにお付けいただけると幸いです。

 

※上記の仏足石に関係する文章は、秋山昌海著『仏像装飾持物大辞典』を参考にしました。