第一二三回 令和五年 花祭り挙行のご報告 / お釈迦さまと白い象

第一二三回 令和五年 花祭り挙行のご報告 / お釈迦さまと白い象

 

 

 

 

 

 

 

令和五年四月二日※、花祭り(釈尊降誕会)を挙行致しました。

 

 

直近の数年は小規模に開催しておりましたが、新型コロナウィルス感染拡大がある程度落ち着いたことを機に、例年通りの規模の行事を開催することができました。
沢山の方々とお釈迦さまのお誕生日をお祝いできたこと、誠に嬉しく感じております。

 

 

※本来のお誕生日は四月八日ですが、慈眼寺では直前の日曜に花祭りを開催しています。

 

 

 


 

 

 

さて、行事と白い象──すなわち白象(びゃくぞう)は、切っても切れない関係にあります。

 

 

ある日、お釈迦さまのお母さまである摩耶夫人(まやぶにん)は、自身の右脇に白象が入ってくる夢をご覧になりました。
不思議で奇妙な夢を気にかけた摩耶夫人は、バラモン教(仏教誕生以前に興隆していた東南アジア圏の宗教)の僧侶たちに悩みを打ち明けました。
すると僧侶たちは「その夢はご懐妊の印であり、お生まれになる方は素晴らしい存在となるだろう」と、摩耶夫人を祝福しました。

 

これが摩耶夫人がお釈迦さまのご懐妊を知った、有名な伝説の一つです。
白象は吉兆の象徴でもあり、お釈迦さまにご生誕に繋がる立役者とも呼べる存在かもしれません。

 

※この伝説は、お釈迦さまの前世におけるエピソードが記された説話集『ジャータカ』の序文や、『過去現在因果経』など数々の仏教典籍で説かれております。
なお、別の経典では「菩薩が右脇に入った」など、象が登場しない異説も存在します。