第三回 こうやくんと高野山

第三回 こうやくんと高野山

今月末の10月24日、2016年度の「ゆるキャラグランプリ」の投票が締め切りを迎えます。

日本全国各地で活躍する約1400もの「ご当地キャラクター」達の人気投票である「ゆるキャラグランプリ」。

歴代の優勝者には、熊本県の「くまモン」・栃木県佐野市の「さのまる」などが名を連ねています。

このイベントには、仏教とゆかりの深いキャラクターも参加しています。

僧侶の格好をした可愛らしいキャラクター、「こうやくん」です。

 

こうやくんは、真言宗の聖地・高野山を代表するご当地キャラクターであり

お寺の行事に参加するなど、高野山の魅力を広めるために日々活躍しています。

また、高野山ではいたるところで、こうやくんがデザインされたぬいぐるみ・お菓子等のお土産が数多く販売され

堅くなりがちなお土産売り場に花を添えています。

 

さて、昨年の2015年には開創から1200周年を迎え、テレビ番組や書籍などで話題となった高野山ですが、一体どのような場所なのでしょうか。

こうやくんに代わって、ほんの少しだけご紹介します。

 

今から1201年前、平安時代の弘仁六年(815)…。

「お大師さま」として慕われる真言宗の開祖・弘法大師空海は、和歌山県の山中に、修行のための道場をひらきました。

山々に囲まれたこの地こそが、今日における「高野山」です。つまり、高野山という名前の山そのものは存在しません。

高野山はその後次第に整備され、金剛峯寺(こんごうぶじ)の本堂となる「金堂(こんどう)」や「根本大塔(こんぽんだいとう)」などの建立が進み

今日では百か寺以上の「塔頭寺院(たっちゅうじいん)」を有しています。

かつてはこれらの寺院を含めた高野山全体が、「高野山真言宗」の総本山「金剛峯寺」と見立てられていました※。

 

高野山の信仰の中心となっているのは、「奥之院(おくのいん)」です。

奥之院は、お大師さまが「入定(にゅうじょう)」、つまり今もなお瞑想に入られている場所として長年言い伝えられています。

高野山が聖地として崇められ、多くの人が参拝に訪れるのもこのためといえるでしょう。

 

多くの修行僧・参拝客・観光客で賑わう高野山。

今日ではこうやくんの石像や看板がたくさん立ち並び、参拝に訪れた方々に愛嬌を振りまいています。

歴史のあるお寺や神秘的な仏像など、仏教への入り口は様々ですが

愛らしく親しみやすいキャラクターから仏教に触れるのも、入り口のひとつかもしれません。

 

※明治時代以降は、青巖寺(せいがんじ)と興山寺(こうがんじ)という二つの寺院を合併して、「金剛峯寺」を称するようになりました。

 

参考

高野山真言宗 総本山金剛峯寺

こうやくん公式ブログ「こうやくん日記」

画像出典 「ゆるキャラグランプリ オフィシャルウェブサイト」より