第十二回 ネパール参拝記録(3)

第十二回 ネパール参拝記録(3)

※第十一回 ネパール参拝記録(2)からの続きです。

 

今回は、ルンビニ以外に訪れたネパールの地を、いくつか抜粋してご紹介します。

こちらは巨大な仏塔がそびえる聖地、ボダナート。

お参りのために仏塔に近づくと、あまりの大きさに圧倒されてしまいました。

高さ三十六メートルにもなる円形の塔の内部には、お釈迦さまのお骨(仏舎利 ぶっしゃり)が納められています。

 

日本のお寺ではあまりなじみのないものも、いくつかみられます。

純白の仏塔を彩るカラフルな旗は「タルチョ」と呼ばれるもので、それぞれに仏様やお経などが描かれています。

塔の上に描かれた目は「ブッダアイ」、つまりお釈迦さまの目を表しているものです。

 

 

 

仏塔を取り囲む土産物屋の一角に、はじめてネパールに入国した日本人を記念した碑が掛けられていました。

その人物とは、学者であり探検家でもあった僧・河口慧海師(1866-1945)です。

河口師は1899年、チベットへ向かうための壮絶な旅の途中でネパールを訪れたそうです。

この旅の過酷さは、『チベット旅行記』という自伝にてうかがい知ることができます。

 

 

ネパールの多くの町中の広場でも、大小問わず仏塔が立ち並んでいるのが見受けられました。

ネパールの人々の生活の中に、仏教が自然に浸透していることがよくわかります。

(左の仏塔のてっぺんには、よく見るとソーラーパネルが取り付けられています・・・!)

 

 

野生の猿の遊び場?となっている仏塔もありました。

 

 

 

旧市街・バクタプルでは、レンガ造りの建物が多くみられました。

これは民家や商店だけでなく、以下のような寺院も同様です。

 

 

一見すると和風の建物のようにも見えるこちらは、右側の建物が「バイラヴナート寺院」、左側の五重塔が「ニャタポラ寺院」。

仏教の寺院ではなく、インドを中心に広く信仰される「ヒンドゥー教」の寺院です。

ネパールはお釈迦さまが生まれた国ですが、今日ではヒンドゥー教の方が強い信仰を得ているそうです。

 

日本人にとってヒンドゥー教はあまり馴染みのない宗教のようですが、全くの無関係というわけではありません。

今年一月の記事でご紹介した「不動明王 ふどうみょうおう」や、当山に安置される「馬頭観音 ばとうかんのん」など、

真言宗で信仰されている多くの仏様が、ヒンドゥー教の神様に由来する仏様と考えられています。

 

 

こちらは海抜2,100メートルにもなる高地・ナガルコットからの景色です。

道中では、山道の荒れた路面による車酔いにひどく苦しめられました。

しかし、到着した先で見たヒマラヤ山脈や偶然現れた虹の美しさが、体調不良をすっかり消し去ってくれました。