※第十一回 ネパール参拝記録(2)からの続きです。
今回は、ルンビニ以外に訪れたネパールの地を、いくつか抜粋してご紹介します。
こちらは巨大な仏塔がそびえる聖地、ボダナート。
お参りのために仏塔に近づくと、あまりの大きさに圧倒されてしまいました。
高さ三十六メートルにもなる円形の塔の内部には、お釈迦さまのお骨(仏舎利 ぶっしゃり)が納められています。
日本のお寺ではあまりなじみのないものも、いくつかみられます。
純白の仏塔を彩るカラフルな旗は「タルチョ」と呼ばれるもので、それぞれに仏様やお経などが描かれています。
塔の上に描かれた目は「ブッダアイ」、つまりお釈迦さまの目を表しているものです。
仏塔を取り囲む土産物屋の一角に、はじめてネパールに入国した日本人を記念した碑が掛けられていました。
その人物とは、学者であり探検家でもあった僧・河口慧海師(1866-1945)です。
河口師は1899年、チベットへ向かうための壮絶な旅の途中でネパールを訪れたそうです。
この旅の過酷さは、『チベット旅行記』という自伝にてうかがい知ることができます。
ネパールの多くの町中の広場でも、大小問わず仏塔が立ち並んでいるのが見受けられました。
ネパールの人々の生活の中に、仏教が自然に浸透していることがよくわかります。
(左の仏塔のてっぺんには、よく見るとソーラーパネルが取り付けられています・・・!)
野生の猿の遊び場?となっている仏塔もありました。
旧市街・バクタプルでは、レンガ造りの建物が多くみられました。
これは民家や商店だけでなく、以下のような寺院も同様です。
一見すると和風の建物のようにも見えるこちらは、右側の建物が「バイラヴナート寺院」、左側の五重塔が「ニャタポラ寺院」。
仏教の寺院ではなく、インドを中心に広く信仰される「ヒンドゥー教」の寺院です。
ネパールはお釈迦さまが生まれた国ですが、今日ではヒンドゥー教の方が強い信仰を得ているそうです。
日本人にとってヒンドゥー教はあまり馴染みのない宗教のようですが、全くの無関係というわけではありません。
今年一月の記事でご紹介した「不動明王 ふどうみょうおう」や、当山に安置される「馬頭観音 ばとうかんのん」など、
真言宗で信仰されている多くの仏様が、ヒンドゥー教の神様に由来する仏様と考えられています。
こちらは海抜2,100メートルにもなる高地・ナガルコットからの景色です。
道中では、山道の荒れた路面による車酔いにひどく苦しめられました。
しかし、到着した先で見たヒマラヤ山脈や偶然現れた虹の美しさが、体調不良をすっかり消し去ってくれました。