二年前の夏、中国の敦煌(とんこう)へ行く機会に恵まれました。
中国の中央西側に位置する敦煌は、砂漠の中にあるオアシス都市であり、かつてシルクロードの分岐点として栄えました。
数多くの重要な経典・仏教美術が安置された遺跡[莫高窟(ばっこうくつ)]が特に有名で、仏教の歴史上でもたいへん重要な都市、といっても過言ではない場所です。
そんな敦煌を訪れた際の記録を、数回に分けてご紹介します。
飛行機を乗り継ぎ、敦煌の空港に到着。観光地として人気であるためか、とても大きく綺麗な空港でした。
敦煌の市街には、多くの露店が軒を連ねていました。
中でも香辛料や乾物・果物が多く売られていたように思います。
写真右側のひときわ大きな実は、この地域で栽培されている[ハミウリ]というメロンの一種。
夕張メロンのようなオレンジ色の果肉と、シャキッとした歯ごたえが特徴の美味しい果物でした。
最初に訪れた仏跡はこちらの白い仏塔[白馬塔]。高さは10メートルほどです。
この仏塔は四世紀末頃、たくさんのお経を翻訳したことで有名な[鳩摩羅什(くまらじゅう)]という高僧が敦煌を訪れた際、経典を運んでくれた白馬を追悼するために建立したと伝えられています。
西暦386年に建てられたそうですが、現在みられる塔はその後何度か改修された姿です。
次に訪れたのは、800平方キロメートルにもわたる巨大な砂丘・[鳴砂山(めいしゃざん)]。
観光客用のラクダが、あちこちでのんびりと休んでいました。
実際に乗ってみましたが、柔らかい砂に足をとられるせいか、乗り心地は決して良いものではありません。
そんな砂地を頑張って歩くラクダには頭が下がります。
また、ラクダに乗って何十日もシルクロードを旅した大昔のキャラバン隊・僧侶の方々の苦労が偲ばれます。
観光客が歩ける範囲はほんの一部。山の頂点まで行くと、広大な砂地がどこまでも続いているのが見えました。
敦煌で最も有名な[莫高窟]などについては、[敦煌(とんこう)巡礼記録(二)]にてご紹介します。