第二十六回 敦煌(とんこう)巡礼記録(2)

第二十六回 敦煌(とんこう)巡礼記録(2)

*第二十三回 敦煌(とんこう)巡礼記録(1)の続きです。

 

この[莫高窟]は敦煌石窟とも呼ばれる、世界でも有数の広大な仏教遺跡です。

岩壁に掘られた数百もの洞窟の中に、たくさんの仏像・壁画が安置されています。

四世紀の半ばごろに、楽僔(らくそん)という僧侶が彫り始めたのがきっかけとなり、

その後1000年近くにわたって増築が進められ、今日のような姿になりました。

 

 

内部を自由に移動することはできず、決められたルートを通って数カ所の洞窟のみを見学しました。

写真撮影も禁じられていたため、この案内写真で様子を感じ取っていただければ幸いです。

 

 

仏画・仏像は全てはるか昔のものですが、ものによっては極彩色の塗りがしっかりと残っており、神秘的な雰囲気を味わうことができました。

 

 

次に立ち寄ったのは、敦煌市内にあるかつてのシルクロードの関所・[陽関]。

仏像が安置されている・・・というわけではありませんが、仏教にとっては確かに重要な場所です。

この陽関はアジアの西側・南を通る重要なルートの拠点として、かつて多くの旅人・そして僧侶たちを出迎えていました。

 

 

これらは陽関のかつての姿を再現した、再建された建物です。

かつて存在した関所の建物は砂に埋もれており、跡地の周辺にはこのような石碑が建っていました。

 

 

奥に広がる広大な山脈と荒野が、かつての旅の苦しさを感じさせます。

いま日本に伝わっている仏教は、間違いなくこの地を陸路で通り、また海を渡って・・・人の手によって日本へ辿り着いたものです。

日常的と感じる距離に仏さまがお祀りされているということは、実はとても奇跡的なことなのかもしれません。