第五回 修禅寺とだるま
先日、静岡県伊豆市の修禅寺様へ参拝してまいりました。
普段は秘仏とされているご本尊の大日如来(だいにちにょらい)像が、特別に一般公開されていたためです。
この寺院は、真言宗の開祖である弘法大師空海が、約千二百年前に創建したと伝えられています。
修禅寺門前にて
創建当初は、慈眼寺も所属する真言宗の寺院でしたが、今日では禅宗のひとつである曹洞宗の寺院となっています。
そのためか、境内には立派な表情を浮かべた「だるま」の石像が鎮座しておりました。
禅宗とだるまには、以下のような関係がございます。
そもそも禅宗は、「ボーディダルマ」という名のインド出身の僧侶によって、千五百年ほど前に中国に伝えられました。
ボーディダルマは達磨大師(だるまだいし)と呼ばれ、今日も多くの僧侶達に敬われております。
達磨大師には、有名な伝承がございます。
中国における少林武術の中心地として有名な少林寺にて、九年間も座禅を続けた…。というものです。
縁起物として親しまれている「だるま」は、この伝承における達磨大師の姿をもとにして生まれたと伝えられております。
久々に真言宗以外の宗派の寺院にお参りをすることができ、新鮮で良い経験になりました。
境内の紅葉が「だるま」のように赤く色付くまでには、もう少し時間がかかりそうです…。