第三十回 お正月の大行事〈後七日御修法〉
新年を迎えると、各寺院では様々な儀式が行われます。
その中でも特に有名なものの一つに、 京都府の東寺にて行われる「後七日御修法 ごしちにちみしほ」があります。
(「ごしちにちのみしほ」等とも読まれます。)
この行事は、真言宗の宗祖である弘法大師空海が承和二年(835)に創始して以来、ほぼ毎年行われています。
その内容は、お正月の後七日(一月八日より十四日までの七日間のこと)に渡り、豊山派を含む「真言宗十八本山」の僧侶から約百名が選ばれ集い、世界平和や国家安泰などを主旨とした祈願を行う・・・というものです。
慈眼寺の先代住職である修補和尚も、かつて参加致しました。
この際に行われる修法は部外秘ですが、全日程が終了した後で道場に入ってお参りすることができます。
これは「後拝み」(あとおがみ)と呼ばれており、例年とても多くの方々が参拝に訪れています。
先に記した通り、後七日御修法は一握りの僧侶しか出仕することのできない大行事です。
しかし、平和を祈願する思いについては、部外者である私も同じ志を抱いております。
今年一年が、良い年でありますように。
※五重の塔が有名な東寺は、約千二百年前に創建された寺院です。
一般的に「東寺」と呼ばれますが、「教王護国寺」(きょうおうごこくじ)とも呼ばれます。
弘法大師空海が823年に嵯峨(さが)天皇より寺院の領地を貸し与えられた事で、真言宗の修行道場として発展していきました。
今日では真言宗全体の「総本山」となっています。
参考・・・東寺ホームページ